連載コラム

松本京子 氏

自らの専門性を見つめなおし、国民のライフパートナーを目指そう!

我が国では、住み慣れた地域で暮らし続けるために地域包括ケアシステムの構築が推進されている。
地域包括ケアシステムの構築には、多職種の連携協働が不可欠であり、全国各地で多職種連携の研修や会議が開催されている。
それは、研修や会議を通じて“顔の見える関係”を作り、ケアの目的や目標を共有したチームアプローチを実現しようとする取り組みである。

私たちの目指すべき目的は療養者とその家族のQOLの実現であり、実際の有様は個々に異なっているのは言うまでもない。
では、ケアに関わる全ての職種がこの目的を共有し、自らの専門性を活かしながら連携協働できているかと問えば、大いに疑問の残るところである。
研修や会議の場で議論されるときに、私たちの目的は何かという本質的な議論の前に、方法論に終始している現実があるのではないだろうか。

では、これからどのようにどうしたらいいのか。
連携協働のための作業を進めると同時に、自分の専門分野についての役割を自覚し、揺らぐことのない足元を固めることではないだろうか。
ケアに関わる専門職は、対人援助に関わる仕事の土台として、1人1人の利用者と向き合い、その人にとってのQOL実現について合意形成できるコミュニケーション力を持つことが求められる。
その上に、訪問看護師としての専門性を発揮し、多職種と連携協働できるためには、利用者の病状や症状を見極めながら生活の再構築をサポートできるようにアセスメント力と療養生活のマネジメントができる力をつける必要がある。

F・ナイチンゲールは、18世紀において既に“段階的に家庭に帰すべく療養システムを構築するように”と提言している。
私たち看護師は、病状や症状を見極めながら暮らしを整える専門職として看護の実践力を磨き、多職種と共に療養者とその家族のQOLの実現を目指すことが求められている。