連載コラム

本松洋一 氏

「クレームから学ぶサービスの質」

クレームはサービスの質のバロメーターです。出て当たり前。もし出ないなら、誰かが我慢しているか、誰かが、隠しているぐらい考えた方がよいでしょう。
私はクレームが出て眉をひそめる前に嬉しがるタイプです。
これも製造業で教えられた事ですが、クレーム一つ一つに真摯に対応し、それらを分析し、その原因を探り、改善することは事業所の質の向上に繋がります。(製造業で不良品が出ないことはあり得ないのです。だから原因を探って減らす努力をするのです。)
クレームを未然に防ぐための考察はもちろん大切ですが、重要なのは、一度出たクレームを再発させないことです。

クレーム処理は火事と一緒で、初期動作が最も重要です。迅速に行動に移さないと傷口は開く一方です。まずはお客様の元に向かい傾聴することが第一。その為の管理者だと思ってます。

1つのクレームが発生した場合、それがどこに起因するものかをまず調査します。
①ケアプランに問題がある場合・・・・  仕事量に対する時間数に無理はなかったか?
逆に多く取りすぎて無駄がなかったか?
訪問回数は的確だったか?
利用者の求めるサービス内容であったか?
利用者のADLに見当違いはなかったか?
事前訪問時に見落とした事柄はなかったか?

②スタッフに問題がある場合・・・・     サービス内容に対する介護者のスキルは十分だったか?
利用者の希望する人材だったか?
社内教育は十分だったか?
連絡引継ぎは正確だったか?
体調に問題はなかったか?

③利用者に問題がある場合・・・・      事前訪問時と話が食い違っていないか?
決められた事以外の要求はなかったか?
サービスを遂行する上で家屋状況等で問題はなかったか?

このような色々な視点からそのクレームを見なければいけません。
例えば「ヘルパーの掃除が雑だ」と言うクレームが出たとします。それはヘルパーの質が悪いからでしょうか?
必ずしもそうとは限りません。仕事量に対する時間数に無理があったのかもしれません。掃除の要求に変更があったかもしれません。時間内に終わらせる事ができない箇所が出たとも考えられます。

このようにそのクレームを十分に分析しないと原因も判りません。例えヘルパーを変えても状況は変らず、結果再発防止には繋がりません。こういった品質管理を行なうことはクレーム数を減らし、スタッフの質を高め、顧客満足度を高めることになるでしょう。

クレームはサービスの質を向上する大事な情報源です。