連載コラム

佐藤ちよみ 氏

介護支援専門員~質の格差が大きすぎるプロの世界~

平成12年に生まれた介護保険制度の運営を担ってきたのは、介護支援専門員です。
その介護保険制度は、当初から定期的に見直すこととされ、文字通り「走りながら」の制度運用となってしまいました。
平成18年には、要介護区分が見直されて、予防給付と介護給付に分類され、介護予防マネジメントは、地域包括支援センターが担い、介護支援専門員は要介護者のマネジメントの専門家となりました。

このころから介護支援専門員の質の問題が話題に上がり、アセスメント不足や、主治医をはじめ、医療従事者との連携不足などの問題がたびたび浮上しました。
そこで、国は介護支援専門員の資格を更新制とし、系統立てた研修カリキュラムを組み、介護支援専門員の資質向上をはかってきたのです。

それでもなお、平成24年には、国は一部の有識者の声にだけ耳を傾け、「介護支援専門員の資質向上と今後のあり方に関する検討会」を開催。
紆余曲折を経て、平成25年8月28日には、社会保障審議会介護保険部会で「ケアマネジメント」の議論も開始されました。
そこでは研修の追加、介護支援専門員試験の資格要件の見直しなどがあがっています。

すでに現場を退いた人はとかく現場に辛い点数をつけがちです。
有識者の意見も貴重ですが、これらメンバーに現場の人がほとんどいないのは問題です。
もし、それでも介護支援専門員の質の向上を問うのなら、他の業界同様、不正以外にも適正のない者は退場するシステムの構築が必要でしょう。

批判され続けてきた介護支援専門員も、確実に実力は向上しています。
多くの問題は「適正に欠ける者が排除されない制度」にあります。
きちんとやっている人は文句を言わないし、文句も言われないのです。介護支援専門員全体としては、もっと評価されてもいいのかな、と思います。