連載コラム

内田千恵子 氏

介護の専門性と介護サービスの質

介護職が仕事をどうとらえているか

先日、ある介護職員の研修会で、介護の専門性について尋ねたところ、
「やさしさ」「自立支援」「寄り添うこと」
などという意見がでたなかで、「自分たちの仕事は最下層だから」と話される方がいました。
だから専門性などと言っている場合ではないということだったのかもしれません。
少々驚いたし、がっかりもしたのですが、まずは介護を仕事としている我々自身が、介護という仕事をしっかりとらえないといけないのだと痛感しました。
介護サービスの質は、介護職員の質にあると言っても過言ではないと思っていますので、内部をしっかりさせることができずに、外部の評価などありえないと感じました。

介護現場で働く人の現状

介護現場には有資格者から無資格者まで、知識や技術、経験等さまざまな人が介護職として働いています。
全部の事業所ではありませんが、介護職や介護福祉士の状況は次のようなものと考えられます。

【介護職の現状】
●自分のやっている介護は適切で正しいものなのか、疑問を感じている
●他と比較することができず、その職場の介護のやり方や介護に対する考え方に合わせるしかない
●介護という仕事は3Kと言われる肉体労働の最たるものであると思っている
●介護職自身が自分の職業を適切に捉えられず、自分のやっていることに自信や誇りが持てない
●教育が中途半端なため、介護や関連領域の知識の活用ができない

【介護福祉士の現状】
●介護福祉士資格取得方法の多様さによるレベル差
●養成校で学んだ人以外はほとんど体系的教育を受けていない
●介護福祉士取得後の教育や研修受講の状況も一律ではないため、成長に差がある
●キャリアアップの仕組みが十分ではないため、将来の展望が描けない
●労働者として、その職場の介護のやり方や介護に対する考え方に合わせるしかない

この現状は、介護職の自己研鑚が足りないということもあるかもしれませんが、事業所の問題がより大きいと感じます。
また、養成校を含めた教育の問題もあるように思います。

そして、なにより現場にいる私たちが、介護の専門性や介護の質について発信が足りなかったと思わざるを得ません。