連載コラム

増田由加里 氏

「介護アロマって知っていますか?」

2009年の冬、「介護アロマって知っていますか?」と不意に話しを振られた。
その一言から介護アロマ(タッチセラピー)の仕事に係わる出会いと転機でした。
10代の頃、大好きだったおばあちゃんが脳梗塞で倒れ、10年間寝たきり生活を送っていました。
所々が痛く辛らそうだった事や、介護していた母親も心身共に疲れきっていたことの記憶があります。
その時に思ったのです。
「セラピストとして、介護にも携われるのだ」という、ある意味運命を感じました。
それからはセラピストとして、介護アロマ(タッチセラピー)の勉強の始まりです。
何が私に出来るのか?何を私が担えるのか?そこに私や利用者の笑顔はあるのか?
思えば苦悩と楽しみの毎日でした。
そうして実践の開始です。(介護現場での介護アロマ施術ONEシーン)
介護施設で利用者さんとのコミュニケーションを取りながら、ハンドトリートメントやフットトリートメントを中心に体感していただきました。
介護アロマの1番の目的は、心と身体の緩和ケアだと考えています。
幼い頃、母親に痛い場所を撫でてもらっただけで、不思議に痛みが緩和した経験はありませんか?
1対1で利用者さんと向き合い、寄り添い、お互いの存在や肌の温もりを感じ、優しくトリートメントすることで、心に小さな灯がともる様な安らぎのある時間の演出なのです。
高齢になると、自分の身体の老いや病気、この末のことなど・・・不安や痛みが増え、精神的にも落ち込み易く不穏な時間が多くなります。
そんな不穏な時間に介護アロマを体感していただき、心身共に安らぐのです。
介護アロマの施術を行うことにより、利用者さんの生活の質(QOL)が向上し生命の尊厳も保持されると思います。
身体は筋力の低下により動き難くなります。
部位をトリートメントすることで、筋肉が緩み関節などの可動域が広がり、血行・リンパの循環を促進することで、自然治癒力・免疫力が高まり健康維持にも繋がります。
利用者さんにトリートメントする際は、必ずお話しに耳を傾けることはもちろんですが、心と身体の変化を感じとることにも注意を計らい行います。
言葉を話さなくても身体や肌に、色々な合図を出していることが多いと感じてます
(おばあちゃんもそうだったのではないかと心馳せる私がいます。)
「介護アロマって知っていますか?」
その一言が私の人生の転機であり、介護アロマの質を求めだした始まりでした。