連載コラム

林田俊弘 氏

私が考える認知症状態にある方の支援の質

前回は、私が考える質について書かせてもらいましたが、今回は、認知症状態にある方を支えていくときに考えるべき、「質」について書かせていただきたいと思います。
認知症状態にある方を支えていくときに理解すべき重要な視点は大きく3つです。
1.認知症状態であっても「人」として当然の言動をとられること。
2.認知症状態にあっても個人として当然の言動をとられること。
3.私たちが、認知症の症状を理解すること。
重要度合いも、この順番だと思います。
とても残念なことですが、私たちのように認知症状態にある方々を支える仕事をする人の中にも、この順番を真逆にする方もいます。
しかも、認知症の症状に気を取られるあまりに、B.P.S.D(行動・心理症状)ばかりに目がいってしまい、その方が本当に何を望んでいるのかを理解できないことがあります。
そうならないためにも私たちの仕事には、質を求められます。
では、私たちはどのようにして認知症状態にある方々の支援の質を身に着け、高めればよいのでしょうか。
それは、まずその方のことを知って、考えることです。認知症状態になると言葉ではうまく意思を伝えられないこともあります。
しかし、言葉にならない言葉に対しても耳を傾け、記憶しその意味を考えるのです。
表情やしぐさに関しても同様です。そこには必ず何かの理由があり、そのほとんどは「人」として当然の欲求であったり、個人のこれまでの人生や体験からの言葉がほとんどです。
そこに気づくまでしっかりと聞き、考える必要があります。
私は、この時間を十分にとり、「その方のことを知る。知りたい」という想いが相手に伝わった事により、「単純に介護する人とされる人」ではなく、人として本当に関係を築くことになると考えています。
このことが最も重要でハイレベルな認知症状態にある方を支える質だと考えています。