連載コラム

多江和晃 氏

『私が求める「質」を語る! ~訪問看護リハビリ~』 その2

身に付けるべき能力も病院と在宅とでは大きく異なる。技術のようなケアに関する専門知識や、豊かな人間性はフィールドを問わず必要だが、在宅ではさらに、訪問数の管理といったマネジメント力や自身の給料までコントロールする能力、そして必要に応じて自分たちの活動を地域に宣伝していく「アピール力」が求められる。
私はスタッフに、アピール力を身に付けて初めて、「地域専門職」と名乗ることができると話している。
この意識や必要能力への理解が質に大きく影響していると断言できる。

もっとも、病院の専門職がこうした能力を身に付けるチャンスはなかなかない。
病院に勤めていると、自らアピールしなくても患者さんは来てくれるからだ。
一方、在宅では、待っていても、地域の人々に認知されることはない。
「僕は/私はこういう人間ですよ」
「こんな資格を持っています」
「こんなことができますよ」
と自分自身をアピールしなければならない。
これができなければ患者さんを看させてもらえないので、どんなに優れた専門知識を持っていても活かしようがないのだ。

その肝心のアピール力については、最初はみんな苦手だ。
おそらくこれまでの学校でも、人生で教えられていないし、やったことないからだ。
弊社では病院しか経験がない新入職員には、たとえ入職時には十分な能力がなくても、OJTをしながら身につけていけばいい。
LEに入職するとアピール力が「なぜ必要なのか」及び実践研修などを通じて、アピール力を磨いている。

また、質の中で最も大切なのは人間力である。
人間力=相手の気持ちが理解できる思いやりの心を持ち、相手に配慮しながら行動できる人だと理解するようにしている。

そもそもこれが欠如している人は、病院・地域を問わずサービス業には向かないだろう。
人当たりのいい人間に向いているかもしれないが、【面白いもので万人受けする人間はいない。】
「利用者のAさんには受けが悪いが、Bさんには気に入られている」
といったことが往々にしてある。

私の考える質とは、技術や知識も大切であるが、人間としての共存共栄の志の高さがもっとも影響するのではないかと考える。

次回は、サービスとしての質について記していきたいと思う。