連載コラム

島香織 氏

『後悔』から希望の光へ

~ 第一話 ~

私は歌手活動17年になるシンガーソングライターの島香織です。
東京と地元富山を中心に全国津々浦々で歌わせていただいています。
ライブ・イベント・宴会・お祭り・パーティなどを中心に、
『笑顔のバトンをつないで』をキャッチフレーズに『元気』を届けたいと日々歌っています。
曲調はさまざまですが、頑張る人への『応援ソング』のような歌が多いです。

そんな私が福祉施設で歌うようになったきっかけは、偶然ではなく必然であり強い思いからでした。
私が夢を追いかけて家族の反対を押し切って上京したのは10代。
現実を知り一度目の挫折で実家に戻った20代半ば。
その頃祖母が突然入院し、意識のないまま長い年月がたち、雲の上に行ってしまいました。
両親が共働きだったので子供のころから祖母と過ごすことが多く、『おばあちゃん』に寄せる思いは強かった私です。
自分がテレビの中で歌う姿をいつか見せてあげたかった。
自分の夢ばかり追いかけていて何もしてあげられなかった
と、後悔ばかり募る日々でした。
以来、町で祖母と同じくらいのお年寄りを見ると
「この人が自分のおばあちゃんだったら色んなことしてあげられたのにな」
と切なくなることが多くなりました。
そんな日々の中で、「お年寄りに喜んでもらえることをしたい」という気持ちが大きくなり、まずできることを勉強したいという気持ちでヘルパーの資格を取りました。
施設や利用者宅での実習の中で実際に高齢者の方々と触れ合い、
「もっと笑ってほしい、楽しいなと思うことをしてあげたい」
という気持ちになり、
「私だからこそできることをやりたい。歌で元気を届けられたら」
と強く思うようになりました。
人が集まるお祭りやイベント、ライブハウスで歌うのが当たり前だった私ですが、寝たきりになった祖母のように、私が行かないと歌を届けることができない人がたくさんいることに気が付きました。

実際に歌いに行った初めての障害者施設、高齢者施設で感じたこと。
それは、私がそれまで歌ってきた会場と『変わらない笑顔』がそこにあるということ。
たった一つの違いは『ライブ会場には行けない』こと。
「また来てね」
と心から楽しみに待ってくれている利用者さんの笑顔を見て、私の中の「歌でもっともっと沢山の人に元気を届けたい」という思いが使命感に変わった瞬間でした。